私はその花びらのじゅうたんの上に転がり、夢を見ていた。

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暁だって、手術が成功していたとしても、こんな代わり映えしない田舎に帰りたくなと思ってるのかもしれない。 「……お前、まだ暁を諦めてねえのかよ」 「諦めるって何!? いくら颯太でも許さないからね」 「こえーこえー」 『怒ってもブスー』とからかいながら、颯太はバスを追いかけるように先に行ってしまった。 颯太のノリも小学校のままだ。 (未だに私をブスだの、泣き虫だの、小学校の時の悪口と変わらないままだし) 成長が感じられない。 (それでも、居てくれて本当に心強いんだけどね) 問題は不良ってことぐらいかな。 教室にほとんどいない。 サッカーの練習だけには毎日顔を出すけど、馬鹿なんだから一緒にテスト勉強してほしい。
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