君が空虚な瞳で笑うから、キスしてみたいと思ったんだ。

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「おかえり。今朝はごめんねえ。話が盛り上がっちゃって気づいたら明け方だったのよ」 恥ずかしそうにリビングから顔を出したお母さんが、申し訳なさそうに謝ってきた。 「駅前のラスク買って来てくれたらお兄ちゃんには黙っててあげる。キャラメルじゃなくてハニーチョコの方」 「えー。朝から並ばせる気?」 「お兄ちゃんが聞いたら、説教されちゃうよ」 駅前のパン屋は出来たばかりで、しかもラスクがテレビで紹介されたこともあり、田舎のこの町では、朝並んで買わないと買えない品物だった。 優菜に一度だけ貰ったけれど、ハニーチョコは、ビターチョコの中に潜ったラスクに蜂蜜が塗ってあって美味しかった。 カロリーが心配だけど、たまになら食べてみたい。 「もー。分かったわよ。お母さんはバジルハーブも気になってたのよねえ」
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