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「暁……っ」
「泣くなよ。なんでお前、そんなに」
暁は口ごもりながらも私の元へ近づいてきた。
「なんでそんなに俺に心配かけさせんだよ」
色素の薄いハニ―ブラウンの瞳。
サラサラで光りに当たると、茶色く見える髪。
今にも消えてしまいそうな白い肌は相変わらずだったけれど、6年も経った今、暁には男の子みたいな筋肉がついて骨ばった身体になっていた。
いや、男の子だ。
優菜が興奮するぐらい、暁は小さな頃から王子様みたいなルックスで、甘い笑顔で毒を吐くやつだった。
「暁……。何で居るの? 手術成功したの? 幽霊?」
「今どきの幽霊は校長に挨拶して転入してくるのかよ。お前、馬鹿だな」
顔をくしゃくしゃにして笑う暁は、すごく大人びていてびっくりした。
「母さんも離してやれよ。そいつ、小さいままだから潰しちゃうだろ」
「あ、あら。ごめんね」
「い、いえ。おばちゃんも久しぶりだから嬉しい。あ、颯太」
私の言葉に、暁の顔が少しだけ怖くなる。
目を細めて値踏みするような、冷たい表情。
「私、颯太にも教えてくる。あいつ今日はサッカー無いって言ったからどこかで眠ってるかもしれないし」
「――百花」
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