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「金の心配はしないでいいのよ。私だって仕送りできるし、恋人の夏目さんが金銭面でも面倒見ますって言ってたし」
「……二人に金銭面で負担かけるぐらいなら今から働く! 今できる範囲でしたいことをするだけ。もし何年かして資格欲しくなったら自分の金で貯金する」
「……すごいわねえ。アンタがそんな大人な発言しちゃうなんて。愛に力は偉大だわ」
「そ、そ、そーだろ。だから姉ちゃんもさっさとイイ男捕まえて来いよ!」
「も、もー! 私は当分いらないってばああ!」
ばしんと背中を叩かれて大きく揺れた。
慌てて上体を起こして姉ちゃんを睨みつけようとして、固まった。
カフェの入り口で、腕を組んで立っているイケメンを見つけたからだ。
「あ……っ」
なんでここに拓馬が?
大学の近くだから夏目さんの会社からは遠いのに。
よくよく見れば、常に不機嫌そうな顔が更に不機嫌そうになってる!
「た、たくま?」
「愛の力の前から、聖は意外としっかりしてたけどな」
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