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「……出さねえよ。そこまで甘くねえ」
「本当かよ」
「俺の会社でそのボランティアや奨学金制度を作って誘惑したかもしれねえけど」
アダルトグッズ会社が子どもの為の奨学金やらボランティアって似合わなさすぎる。
「気持ちだけもらっとく」
「そうしろ」
不機嫌そうだったけれど、それ以上は言ってこなかった。
多分、自分の不必要な発言で俺の就職先やら未来への進路を揺さぶりたくないんだと思う。
「今日はバイトは?」
「ん。着ぐるみのバイトは昨日で最後だった。コンビニは今月まで」
「……楽しそうだったのに残念だな」
家から離れてしまうし、なかなかコンビニにも行けなくなると思うと寂しいものはある。
けれど諦めなければいけないこともあるんだ。
これからさきも、きっと。
何度も別れや出会いが繰り返されていく。
「今日の夕飯は牛筋をとろとろに煮込んだビーフシチュー作っておいてやる。
「わーい! 楽しみにしてる!」
相変わらず、肉を使うレシピはなんでも得意だから凄いと思う。
「で、聖は玩具使ってみようって気持ちは起きた?」
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