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全部脱いで、お風呂に入ろうとして固まった。
なんか、湯船に熱冷めしシートみたいなぷよぷよしたのが浮かんでいる。
これってさっき俺が投げたアダルトグッズだ。
しかも、ローションの蓋が開いてたのか中身が垂れて湯船に入ってる。
「うひいい」
これは最早使う、使わないの前に、どう捨てよう?
掴んでも掴んでもぬるっと手から滑るローションやその玩具に苦戦していると、ノックもなしに風呂場のドアが開いた。
「おい、聖。あんなに台所散らかして、怪我はなかったのか」
「あ……」
終わった。
俺の中で、冷静にその言葉が出た。
終わってしまった。
俺の中で、小さなプライドやら自尊心やらその他もろもろが失われた。
玩具とローションを片手に全裸の俺。
それを見下ろす拓馬。
ふわふわと湯船の熱気が辺りを舞う中、俺の人生は終わりを告げた。
「……終わったら燃えないゴミだ」
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