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ぴちょんと、蛇口から滴り落ちる水の音。
湯気に時折視界を奪われつつも、拓馬の上に座る形で湯船に浸かりながら玩具を、滾って熱を帯び芯を持った俺自身に当てていた。
後ろから拓馬がやってくれているんだけど、入口が狭くて食い千切られそうで、――痛いって感想しかない。
「お、玩具でも慣らした方がいいの?」
「さあな。だが玩具はキスしても指入れても、力抜いてくれないからなあ」
「ひっ 卑猥!」
何を言うのかと驚いた表紙に、ぐっと押し込められた。
ううう。
千切れる。
これ、上下に動かされたら死んでしまいそうなんだけど。
「た、拓馬、不能になりそう」
「湯船の中じゃあダメか」
「……そうなのか分からないけど、やっぱ拓馬の手と全然違うから気持ち良くない」
「へえ。それの指は気持ちが良いと」
後ろを振り返らなくても分かるほど、拓馬は上機嫌だった。
「当たり前じゃん。拓馬の指は優しいし。最初は痛いけど慣れたら、痛いだけじゃないし」
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