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(……絶対あの美しい首のライン……。首輪が似合う。鎖の痕が似合う)
両手を縛ったら、恥ずかしそうに顔を背けて、けれどピクピクと反応して頭が持ち上がってきちゃう本能に抗えなくて。
俺の身体で欲情を――。
「あの、本当に大丈夫?」
妄想していた俺の顔を覗きこむと、不思議そうに首を傾げた。
うわあ。
アーモンドみたいな綺麗な形の瞳。色素も薄い。
益々タイプかも。
……ちょっと興奮してきた。
「いえ、あ、あの『チムチム』っていうアニマルベーカリー探してたら眩暈がしちゃって」
何か喋らなきゃと、ついつい可愛さアピールをしてしまう。
「アニマルベーカリーなら、ここを真っ直ぐ行って右にカンガルーの看板が置いてあるところだよ」
「うわあ。ありがとうございます」
「……ちなみにまだ開いてないから」
「そうなんですね……」
もう少し話をしてみたい。
すでに先輩なんて眼中にもなかった。
すると彼がズボンから取り出したのは、二つに折りたたんだチラシだった。
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