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「早く着替えたい」
そう呟いて、京介が後部座席のドアを開けた。
「課長に一報入れるから乗って待ってろ」
車に乗り込む京介にそう返し、上川は上着から携帯電話を取り出す。
課長に報告を終えた後、一度京介の様子を伺って上川はもう一件電話を入れた。
『もしもしぃ』
相手は、上川がエミリアの部屋に待機させていたおみつだった。
「犯人確保。終わったぞ。そっちは何もなかったか?」
上川が短く言うと、向こうから不満の声が返って来る。
『えーっ、そうなのぉ?んもぉ、折角カスタムしたMP5ブッ放すの楽しみにしてたのにぃ』
「お前の方は念の為。でも単独犯だったみたいだな。今から戻るから、その物騒なモノ直ぐに片付けろ」
『はぁーい』
会話を終え、電話を切って息をつく。
そして上川は、京介の待つ車に乗り込んだ。
「課長、何か言ってました?」
後部座席から京介が尋ねる。
「任務ご苦労さんって。何かあったらまた頼むってさ」
上川がエンジンを掛けた。
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