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総支配人自ら両開きの大きな扉を開け中へ案内する。 ホテルにとってそれ程大事なイベントで、招待されているのもそのレベルのクライアントなのだろう。 現にエミリアにもVIP待遇だった。 試食会の会場は高い天井にきらびやかなシャンデリアが幾つも飾られた大ホール。 十人程が掛けられる大きな円卓が等間隔に並べられていて、招待客が半数程、既に席に座って開始の時を待っていた。 その間を進んで行く。 SPを付けての登場に何事かという目線も向けられたが、京介はその都度ドレスの裾を持ち上げ挨拶をして笑顔で交わした。 「こちらでございます」 総支配人が椅子を引き、京介をエスコートする。 京介も浅く頭を下げて丁寧に腰掛けた。 「お前たちは配備につけ」 上川の指示で、四係の三人は持ち場に散る。 総支配人が去り、京介の座るテーブルにはまだ誰一人着いておらず、彼の側に居るのは上川のみ。 「各テーブルに刑事が紛れてるんですね」 京介が低く囁く。 「ホールの構造上、中距離及び長距離からの狙撃は不可能。実行犯はここに入って近距離から狙うしかない。何処に紛れてるか分からないから強行犯係に応援頼んだんだ。てかお前、そこ見抜くの止めろ。顔が仕事モードになってるぞ」
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