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突然の出来事にホール内は悲鳴の混じるパニック状態になる。
「避難の誘導、招待客の人命を最優先!」
上川はホールを見渡しながら無線で指示を出す。
その間京介は実行犯と睨み合っていた。
「……偽者か」
「殺害予告なんか送るからだよ」
「何で分かった」
「ここのウェイターなら絶対にやらないミスを犯したから」
「……あっそ」
騒然とする中、淡々と交わされていた会話だったが、最後は吐き捨てるようだった。
「仕事柄見逃せないんだけど」
「でも本物殺らないと」
「させない」
「じゃあ殺すだけ」
冷徹な瞳で言い終わると同時に再び引き金が引かれる。
京介は間一髪交わしたが、銃弾はアッシュベージュの髪を一束引き千切った。
次の瞬間、犯人に警棒が振り下ろされる。
動いたのは上川。
だがその攻撃は交わされた。
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