73人が本棚に入れています
本棚に追加
「犯行予告はご丁寧にその日を指定してあります。なので当日はこちらで貴女の身代りを用意し、貴女の身の安全は勿論、実行犯の確保を目指します」
と上川は大まかな計画を説明する。
「身代りですか?シェフも出席者も顔見知りばかりですが、大丈夫でしょうか」
況してや犯人にも顔が割れている確率が高い。
身代りではバレるのではないかとエミリアが不安要素を口にした。
しかし上川は、気にも留めず出されたコーヒーを悠長に飲む。
そして、
「ご安心下さい。我々もプロですので」
と、珍しくこれでもかという程の楽しそうな笑顔を見せた。
それから数日が過ぎパーティー当日。
より現実味を出す為、上川と京介はエミリアの部屋を訪れていた。
京介の変装をここで行うのだ。
「じゃ、頼む」
と上川が声を掛けたのは、京介でもエミリアでもない、また別の人間。
「はーい任せて。じゃあ京介ちゃん、先ずはこれに着替えて」
そう答えたのは化粧したスキンヘッドの……オネェ。
「……ドレス、ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!