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夢を見てるみたいだ…。
先輩が、目の前に立っていて、
しかも、オレを見てくれてる。
先輩は、ゆっくりとオレに近づいてきた。
オレも立ち上がって、先輩の元に恐る恐る近寄った。
「ぁ…の…零治…先輩?オレの事…覚えてますか…?」
先輩は、それには答えてくれず、しばらくオレの顔をじっと見つめていたが、
スッとオレの頬に手を伸ばし_、
「…泣いてたのか?」と、親指で目の下をなぞった。
……ん…?
え?
ぇぇえええっ?!!!
いやいやいやいや、
「せ、先輩?!ぁ…の_」
オレの言葉は、途中で遮られ、気づけば、オレは……
先輩の腕の中にいた…。
「せせせせっ先輩?!どうしたんですか?! 変ですよ?」
「…変じゃねぇよ。オレが、こうしたいからしてるだけだ」
「じゃ、じゃぁ、まだ記憶が戻ってないんですね?」
「もう、戻った」
「それは、違います!以前の先輩は、こんな事しませんでした」
「だからだろ?」
「…ぇ…?」
「記憶が戻ったから、こうしてんだ」
「でも、そんなはず_」
「もう、後悔したくねぇんだ。あん時、ああしとけば良かった、こうしとけば良かったなんて、もう沢山だ。オレは、ずっと、お前にこうしたかったんだ」
「ぇ?なっなななんでですか?」
「お前が、可愛いから」
へ?
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