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「やっぱ、東雲って言いにくいから、お前は、“のの”ね」
「は?」
何だ?いきなり。
「嫌か?」
「…いいよ。 その代わり、お前は、“ヅッキー”な」
「OK」
いいのかよ。
笑顔がハンパねぇな。
「それより、昨日は悪かったな」
「おう。そっちは、間に合ったのか?」
「まあ、ギリだったけどな」
と、自嘲の笑みを浮かべた。
集合時間の30分前とかには、現地に着いてそうだし、ギリっつーのは、不本意なのかもな。
_にしても、視線が気になる。
教室からも廊下からも、遠巻きにして、オレらを見ている。
「さすが、有名人は違うな」
ヅッキーが、辺りを見回すと、それに伴い、女子共から感嘆の声があがる。
アイドル並みだな。
「この視線は、オレにだけじゃないと思うよ」
「は?」
「のの の、隠れファン、結構いるって噂だぜ」
「はあ?何で隠れてんだよ」
「日頃の行いの違いだろ」
「影でヤってることは、変わんねぇだろ?」
「ところで、何か訊きたい事があったんじゃねぇの?」
スルーかよ。
「…ああ。昨日、他校の男子と正門前で話してたけど、あれ誰?」
勢いで訊いちまったけど、まあ、訊いておくだけだから、いいか。
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