pf. 2

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「やっぱ、東雲って言いにくいから、お前は、“のの”ね」 「は?」 何だ?いきなり。 「嫌か?」 「…いいよ。 その代わり、お前は、“ヅッキー”な」 「OK」 いいのかよ。 笑顔がハンパねぇな。 「それより、昨日は悪かったな」 「おう。そっちは、間に合ったのか?」 「まあ、ギリだったけどな」 と、自嘲の笑みを浮かべた。  集合時間の30分前とかには、現地に着いてそうだし、ギリっつーのは、不本意なのかもな。 _にしても、視線が気になる。 教室からも廊下からも、遠巻きにして、オレらを見ている。 「さすが、有名人は違うな」 ヅッキーが、辺りを見回すと、それに伴い、女子共から感嘆の声があがる。 アイドル並みだな。 「この視線は、オレにだけじゃないと思うよ」 「は?」 「のの の、隠れファン、結構いるって噂だぜ」 「はあ?何で隠れてんだよ」 「日頃の行いの違いだろ」 「影でヤってることは、変わんねぇだろ?」 「ところで、何か訊きたい事があったんじゃねぇの?」 スルーかよ。 「…ああ。昨日、他校の男子と正門前で話してたけど、あれ誰?」 勢いで訊いちまったけど、まあ、訊いておくだけだから、いいか。
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