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昼は、教室で食ってから、いつもの昼寝スポットに移動する。 不良は、屋上で食べるものでしょ? クラスのヤツらが陰口叩いているのは知ってる。 屋上のコンクリの上は、この時期まだ暑ぃんだよ! それに、オレは不良じゃねぇ! 「あれ?もう行くの?」 「おう」 昼を食べに、わざわざサクラもオレらのクラスに来てる。 「いつもより早くね?」 「ん。何か疲れた。アキ、次サボるかも」 「…そうか。教師には、適当に言っておく」 「珍しいね」 「シノだってたまには、そういう時もあるだろう」 「オレが言ってるのは、慎ちゃんの方なんだけど?」 「オレか?」 「いっつもサボるの許してくれないじゃん」 「それは、お前が_」 「んじゃ、行くわ」 コイツら、たまにデキてんじゃねぇか? と、思っちまう事がある。 まあ…んな事、今はいいか。 オレは、教室を出ると、いつものお昼寝スポット、2体(第2体育館)脇のベンチに向かった。 2体に近づくと、いつものようにバッシューと床の擦れる音、ボールの弾む音がしてくる。 その脇を通り、裏に向かうと、オレのいつもの昼寝用ベンチが置いてある。 この2体は、他の体育館より校舎から離れているため、昼休み特有の喧騒もなく、ゆっくり眠れるのが気に入ってる。 公園の様になっていて、オレ用の他にもいくつかベンチが置いてあり、時折、気持ちイイ風が吹く。 おもいっきり背伸びをして、欠伸をしながら他のベンチを見ると、誰かが座って本を読んでいた。 ………アイツだ!!
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