pf. 2

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  オレは、そのまま教室に入っていき、目の前でヤツに声をかけた。  「話がある」 「…で、でも、もう直ぐ授業…」 「レンは、腹痛だ。保健室に連れて行く。センコーには、そう言っとけ」 大きな声で周りに告げ、「これでいいだろ?」と、見下ろすと、小動物のように怯えた瞳で、「で、でも」と、まだグダグダ言いやがった。 「オレはアンタに触れちゃいけねぇんだろ?さっさと立て!」 やっと立ち上がった。 オレが先に歩き、保健室に誘導する。 「茜。借りるぞ」 「ここは、ラブホじゃないのよ」 「そんなんじゃねぇ」 レンをベッドに座らせ、カーテンを閉めた。 「ひとつ確認したい事がある」 「…はい」 「あん時の_」 ん?…いや…ちょっと待て。 昨日、答えられなかったのは、相手が兄だったからだ。 それを今…問い詰めて、どうする? 兄にヤられていた事がオレにバレて、尚更、心閉ざすんじゃねぇの? それに、もう訊かない約束だ。 オレには、カンケー無い。 「……先輩?」 怯えながらも、オレを見上げるレン。 お前……兄にヤられてんのかよ… 例え兄だとしても、大事にされてるなら、オレは何も言わねぇよ。 でも違うよな? 「東雲先輩…?」 「…なあ……もう1回ヤらせて」 ぁ… 今…オレ…何…言った…? そう気づいた時には、既に遅くて バチン!! …平手打ちされてた…。 「サ、サイテーです!」   カーテンが破れんじゃねぇか?ていうくらい、おもいっきり引っ張って出て行きやがった。 まあ、当然だな。 「れーじ。ああいう子の扱いは慣れて無いのね」   カーテンの隙間から、ニヤニヤしながら腕組みしてる茜が見えた。 「うっせぇよ。ほっとけ」 頬に残った小さなもみじを見て、アキは、大きな溜め息をついて「お前は、何をやってるんだ?」と、呆れていたが、何故かサクラは、楽しそうだった。 チリチリと頬の痛みは、しばらく続いた。
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