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その日の昼休み。いつもの昼寝ベンチに行くと、レンも、昨日と同じ場所で読書をしていた。
場所を変える事はしなかったんだな。
どうする?
知らねぇよ、オレだって…
ああっめんどくせぇ!
昼寝の度に、モヤモヤすんのも癪だしな。
レンの隣に正面を向いたまま、ドカリと足を組んで座った。
「なっ…何ですか?」
視線が痛いな。
さあ、何て言う?もう、失敗は出来ねぇよ。
目だけで、隣のヤツを見る。
何でそんな顔すんのかな。
大型犬に立ち向かおうとしているチワワみてぇ。
でも、隙だらけ。
ったく。しょうがねぇな…。
「オレの事、嫌いなままでいいから、
そばにいろ」
「……ぇ…っ…?」
「そばにいろって、言ってんの。
その代わり、お前のグチでも弱音でも何でも聞いてやる」
「……そんな事は…友達に話します」
「お友達に話せない事もあるんじゃねぇの?」
と、ニヤリと笑って見下ろすと、
ハッとした顔をして、目を伏せてしまった。
また、やっちまったかな。
「今日のところは、これでもやるよ」
ポケットに入っていた、イチゴの包み紙のアメを渡した。
手の平にのせてやったそれを見るレンの顔は、少し和らいだ気がした。
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