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昼休み。いつものベンチで昼寝でもしようと行くと、レンもいつものベンチで読書をしていた。
そういや、昼はいつもここだって、言ってたな。
今まで、全然気づかなかった。
オレも、あんま周り見ねぇし…。
ベンチに横になり、木陰から見える空を眺めた。
話しかけると萎縮させるし、今日はこのまま寝よ。
オレって、こんな気遣うヤツだったけ?
ああっめんどくせぇ。
めんどくせぇけど…嫌じゃねぇんだよな。
こんなオレも、悪くない。なんて、どっかで思ってる。
さぶっ!
こんなセリフ、仲間が聞いたら引くよな。
なんて、グルグル考えていたら、いつの間にか熟睡してて、目覚めた時には、レンの姿は無かった。
翌日も、同じように声をかけずに昼寝した。
ただ、昨日と違った事は。
「起きて下さい。東雲先輩」
「……ん?」
レンが起こしてくれた事。
「授業始まりますよ」
「おお。サンキュ。…ん?アンタ、誰?」
レンの隣に男が立ってる。
オレよりは低いが、背の高い男。友達か?
「東條です」
「あ、あの同じクラスの東條進君で、バスケ部なんだ。オレいつもここで、東條君の昼練終わるの待ってたから」
「そうなんだ」
一所懸命、説明しちゃって。
コイツにも、あの事は話せて無いんだよな。
「それじゃ、オレ達はこれで。剣崎、行くぞ」
「うん」
レンは、彼の後をひょこひょこと追いかけて行った。
ふーん。
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