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はっ?! いや……えっ……?!
ここから出て行ったの、確かに男だった
……よな?
ぇ……そういう事か?
そんな世界の存在を知らなかったわけじゃない。
ただ…初心者のオレにとっては、あまりにも衝撃的つーか……
そいつはオレに気づくと、投げ出されていた白い脚を引っ込め、小さく丸まり、微かに震え始めた。
その光景が、何故かオレの、どストライクに嵌まり、ゾクゾクしている自分に気付いた。
その気持ちが、早く熱を吐き出したいだけの、一時のものなのか_なんて、こん時のオレには、冷静に考える思考回路なんてものは存在していなかった。
「ぁ…っ……」
何かに気付いたようにオレを見上げた。
ああ。
「オレのこと、2年の東雲零治だって知ってんだ?」
恐々と頷くそいつ。
しているネクタイの色は、緑だから1年か。
こんな末端まで、知れ渡ってるとはね。
「アンタの彼氏、よほど我慢出来なかったのか、ただヤりたかっただけなのか…」
下半身だけ脱がされていて、Yシャツやネクタイに乱れは無し、靴下も履かせたまま_となると、
「……彼氏…なんかじゃ…ありません」
やっぱ、そうか…
「……この事は……内緒にしておいて…下さい…お願いします」
こんな大人しそうな顔してビッチ?
レイプ? にしては、争った形跡が無い。
「まあ…どっちでもいいか…。
…それじゃ、オレのことも受け止めてくれる?」
「……ぇ?」
紅潮した頬に瞳を揺らしながら、オレを見上げる。
ダメだ。制御不能。
オレは、こいつを再びマットに沈めた…。
この時何故、こいつの話を少しでも聞いてやれなかったのか。
ホント今更……だよな。
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