pf. 5

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目覚ましに勝った。   携帯で時間を確認すると、5:15 だ。 15分も前に起きてしまった。   まだ暗い。起きたくねぇ。 てか、寝れなかった。    熟睡出来なかったのは、慣れないこの布団のせいか、ベッドで寝てるヤツのせいか…。   布団を畳ながら、寝顔を盗み見る。 オレと違って、熟睡してんな。 でも、まあ良かった。眠れたんだな。    バンザイのポーズで眠ってる姿を見てると、可笑しくて、笑いがこみ上げてくる。 ったく。無防備過ぎだろ。オレは、お前と、一度寝てんだぞ? 少しは、警戒しろよ。   ぽかんと半開きになった唇が、オレの衝動を誘う。     解ってるさ。 守らせてくれれば、それでいい。   「好きなのか?」 好き_? 「さあな。………て、親父?!」   いつの間に扉開けたんだよ。 「グイグイ来んのも、大概にしろよ」 なるべく小声で叫ぶと、「蓮君、起きちゃうぞ」と、ふざけた事をぬかしやがる。 「ほら、支度しろよ」 親父の背中を押して、洗面所に促した。 「お前は、そういう意味では大人だと思ってるが、お付き合いする事になったら、きちんと報告だけは、しなさい」 いろいろツッコミたいが_、 「それ以上、ふざけた事言ってると、弁当にピーマン詰めてやるからな」 「それは、困るな」と、苦笑して_、 「でも、零治は何も悪くないんだ。そろそろ前を向いて歩いてもいいんだぞ」 と、オレの目を真っ直ぐに見つめてきた。 オレは、毎日楽しく過ごしてるっつーの。 ホント、親バカで困る…。
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