pf. 2

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バイクをとめてある駐輪場に向かってる途中、正門前で、相手の男を見かけた。 ウチの生徒と立ち話している。 その生徒の方は、遠くからでも直ぐ解った。 金髪に空色の瞳。 特進(特別進学コース)の紫津木(しづき)(あお)だ。 話している様子から、そんなに親しくも無い事がわかる。 別れ際、相手の男は、ペコペコ頭を下げてるのに対し、紫津木藍は、軽く手を振っただけ。 ふーん。 紫津木藍もバイク通学だから、向かう先はオレと一緒。 何となく、後ろを歩いていると、急に立ち止まったので、オレも止まる。 ヤツは、ポケットを探って携帯を取り出すと、操作し始めた。 LINEか? しばらく眺めていたと思ったら、慌ただしく携帯をポケットにしまい、急に猛ダッシュ! はっ?! ちょっ…待て…! 何故かオレも、ダッシュで追いかける。 駐輪場に着くと、紫津木藍は、バイクに跨がりメットをかぶっていた。 「紫津木藍!」 オレは、とっさに声をかけていた。 どうしようていうんだ? 「あ?フルネーム?」 「別にいいだろ」 「悪いが、今急いでんだ。用があんなら早くしてくれ」 フルフェイスのメットを被ってるせいか、表情が読み取れない。 「いや……明日でいいわ」 何を訊こうとした? 相手の男の事を知ってどうする? もう関係ねぇはずだろ?   「そっか。わりぃな」 センコーには、正門出てからエンジンかけろって言われてっけど、すげぇ急いでんな。 モデルの仕事にでも、遅れそうなのか? 紫津木のバイクの走り去るエンジン音を聴きながら、オレも、バイクに跨がりエンジンをかけた。
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