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翌日の休み時間、同クラのアキが、昨日の事を訊いてきやがった。
「昨日は、どこに行ったんだ?また、養護教諭のところか?」
一番後ろの窓際。前の席のアキは、完全に後ろを向いてオレの目を真っ直ぐに見ている。
こいつには、直ぐに嘘もバレそうだ。
ついた事はねぇけど。
「……いや…昨日は違う…」
「大丈夫な相手なのか?」
大丈夫…。か。
言いたい事は、わかる。
あの一件以来、他人と深く関わるのは止めた。
昨日のアイツとは、もう会うことは無いだろう。
「もう、会うこともねぇよ」
そう返事をしながら、教室の出入り口付近が、騒がしくなった事に気づき、そっちに視線を向けると_はっ?!
信じらんねぇ。
あのバカ。
クラスの女子に囲まれてる金髪野郎に悪態をついた。
「東雲零治!」
能天気な笑顔で、オレに手を振る。
これ以上、騒ぎになっても困るんで、しょうがねぇから、傍までいくと、サーッと潮が引くように、女子共は、一歩どころか十歩位下がった。
「フルネームで呼ぶんじゃねぇよ。恥ずいだろ?」
「昨日のお返しだよ」
これまでお互いの存在は知っていたが、まともに話した事は無かった。
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