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翌週の月曜日。
お昼休みに入ると、私はアイアイと一緒に購買まで来ていた。
目的は自販機で売ってる、いちごミルク。
……だったんだけど、気がついたら手にチョココロネも握られていた。
「お前、無意識に買うのいい加減治せよ」
アイアイのデコピンが凄いスピードで放たれて、結構な音がした。
「痛いっ!」
「痛くしたんだ」
背の高いアイアイを恨めしげに見たけど、彼女はなんのその。
ピッチリポニーテールにした長い髪を揺らすことなく私を見下ろした。
「しかもいちごミルクにチョココロネって。甘ったるすぎるだろ」
「だってぇ。この組み合わせが一番ベストなんだってば!」
ねーっ!といちごミルクのパックと相槌を打っていたら、後ろからよく通る良い声が聴こえてきた。
「えーっ!おばちゃ……おねぇさん、チョココロネもうないのー?」
咄嗟に自分のチョココロネを持つ手に力が入る。
「今確実に“おばちゃん”を“おねぇさん”に言い変えたな」
アイアイの声を聞きながらゆっくり振り返ったら、叫んでいたのはなんと愛しの先輩だった。
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