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「旭。お前いつの間に音無と仲良くなってんだよ」
教室から音無くんの姿が無くなると、アイアイがため息吐いて私を見た。
「え?別に?」
残りのチョココロネを頬張りながら、そう答えた。
「まぁ、お前はそう言うヤツだよ」
「そう言うヤツって……?」
「ははっ、」
アイアイが苦笑交じりに私の頭にポンと手を載せる。
だから、アイアイが男なら胸キュンなはずなのに。
「そう言えば音無っていつも午後からいないよな」
「あぁ、それなら多分、屋上だよ」
音無くんがいなくなると教室の中は騒がしくなる。
煩い中でいちごミルクのストローを加えながら言えば、アイアイは一瞬考えて、それから全てを悟ったように頷いた。
勘の良いアイアイと居ると楽だ。
ただでさえ、私がほぼ毎日、放課後屋上に行ってるのを知ってるし。
さっきの一言だけで、私と音無くんがどこで仲良くなったのかを分かってくれたようだ。
「噂なんて……誰かが勝手に火種作ったから煙も上がるんだよ」
本当のところは何もわからないけれど、屋上での音無くんは噂の様な人じゃないもん。
なんとなく嫌な気分で、残りのいちごミルクを飲みほした。
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