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「アイアーイ!!」
「ん?……うわっ、ちょ、旭!どうした!?」
かろうじて自分の席になだれ込むように座り、前の席のアイアイに後ろから抱きついた。
「ちょ、旭、お前、何泣いてんだよ!」
オロオロするアイアイの顔にもっと涙腺が緩んで、涙がとめどなく溢れてくる。
おいおい泣きながら、さっきのマネージャーさんの言葉をまた繰り返し思いだした。
もしかして、もしかしなくても、先輩とあのマネージャーさんって付き合ってる?
っていうか、付き合ってるよね!?
「ねぇ、アイアイ!先輩が女の子に呼び出されてるの見て“そう言うの見る私の気持ちも考えて”ってことは、2人は付き合ってるって事なの!?」
聞かなくても、わかる。
けど、もしかしたら違うって言ってくれるかもしれないなんて、僅かな希望で聞いてしまう。
「その2人っていうのは、アイツと旭以外のもう一人って事だよな?」
頷いたら、アイアイはじっと私を見つめたまま深く頷いた。
そして、苦々しく眉を寄せて、目を伏せると大きく一度息を吐いた。
「アイアイ……言わんこっちゃないとか、言わないで」
「まだ何も言ってないだろ」
「……告白してもいないのに、フラれちゃった」
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