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今日はこれから天変地異が起きるのでしょうか。
昨日天まで登るほど浮かれ、さっきはどん底に突き落とされ、そしてすぐまた、今度は音無くんにより一気に持ち上げられた。
思わぬタイミングで告白され、徐々に心臓がバクバクいい始める。
視線をうろうろ動かして、どこを見ていいのかわからない。
「えっと、……あの、」
「俺を嫌いか?」
「嫌いじゃない!でも、だって、私はさっきまで先輩が好きだって騒いで、音無くんにも話ししたりして、」
「だがもう願い下げたろ」
「そう……だけど」
「じゃあ、迷惑か?」
「迷惑とかじゃっ」
距離は変わらないはずなのに、音無くんの瞳がどんどん迫ってくる。
「俺は、お前がアイツを好きになる前からお前が好きだ」
頭が、くらくらする。
「でも、好きだって言われたからすぐっていうのは……」
いいのかな……?
心の声が聴こえたように、音無くんの低い声が思考を遮った。
「ごちゃごちゃうるせぇ」
音無くんは胡坐をかいたまま、ぐっと近づいた。
そして大きな手が私の頬にあてがわれて、瞳を覗きこむ。
低い声が真っ直ぐ、真っ直ぐ、私に向かった。
「黙って俺のものになれよ」
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