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晴れの日は必ず。
曇りの日も必ず。
雨の日はそれでも必ず。
毎日、放課後屋上へ向かう。
今日もまた屋上へ行こうとして、仲良しのアイアイが私を呼びとめた。
「あさひー。お前さぁ、ここんとこ放課後どこいってんの?」
「ど、どこって別に、」
「いーっつも“先帰ってー”ってさー。いい加減、白状しろ」
背の高いアイアイがヘッドロックを仕掛けてくる。
その腕をバンバンと叩いて何とか逃げると、今度は壁に追いやられた。
「ほら、さっさと言え。じゃないと……」
「わわわわわかったから!!言うから!!」
このまま黙っていたら何されるかわからない。
両手の掌をアイアイに向けて肩まで持ち上げた。
「べ、別に、たいしたことじゃないんだ、よ?」
「前置きはいらない」
「うーっ!……屋上、」
「……え?」
「屋上に、行ってるだけ!」
私の顔の両端に手をついて見下ろすアイアイの目が点になった。
アイアイ顔近いよ。
いくら男前だと言ってもアイアイは女子だし。
っていうか、女子に壁ドンされるとか、勘弁してほしい。
キョトンとするアイアイに、私は深く一度頷いて見せた。
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