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わっ、なに!? 驚いて振り向けば、屋上の真ん中にある、階段へ繋がる扉の上、給水タンクの隣が光を反射した。 眩しくて、目の上に手で影を作って目を細める。 じっと見ていると、物体がぴょんと降りて来て、階段へ繋がる扉の横に寄り掛かった。 「くくくっ、アイツは野球のルールの話、したんじゃねーのか?」 低い声でそう言ったのは、確か同じクラスの、 「音無くん……」 音無という名前のごとくクラスではおとなしい……というか、殆ど誰とも話さないヤツ! 真っ黒な髪は目に少しかかっていて、黒ぶち眼鏡の奥の瞳が見えにくい。 パッと見、オタクっぽいのかと思うけれど、左耳に光るシルバーのピアスが絶対そうじゃない感を醸し出している。 「んで?」 「……え?」 「毎日毎日俺の昼寝の妨害をしながら眺めてるヤツ、どれだ?」 歩いてきた音無くんは私の横でがしゃんと音をさせながらフェンスに掴まった。 「えっとね!ほら、あそこ!!例のヤツ付けてる人!」 「プロテクターな」 「そう、プロテクター!」 ふーんと呟いた音無くんは、フェンスから離れると階段扉の横まで戻り、座って寄り掛かった。
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