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「どうなってるのよ?」
私は銀の蓋に手をかけると、真っ暗な排水口の中を覗きこむ。
「嘘……でしょ……」
シャワーのお湯が流れ込む暗闇の先に。
二つの目が見えた……。
「あ……あ……っ」
助けを呼びたいのに、言葉が出てこない。
私は、握っていた髪の毛を手放すと、体を引きずるように後ずさった。
ゴボゴボゴボゴボッ……
「……!」
けれど、真っ黒な髪の毛は、水音を立てながら増えて排水口から溢れてくる。
そして、うねうねと伸びてきた髪の毛が、私の足首に巻きついた。
「ひ……っ」
そして、巻きついた黒髪は、私の体をすごい力で排水口へと引っ張る。
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