排水口

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「や……め……」 恐怖が喉を締め付けて、声が出ない。 得体の知れない長い髪の毛は、私にしっかりと巻きつき離さない。 ゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ…… 私の足先が、排水口へと入っていく。 「い、嫌……!」 浴室のタイルに必死に爪を立てたけど、足から、どんどん飲み込まれていく。 ゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ…… 「なん、で……」 短い呟きと共に、私の意識は、そこで途切れた。
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