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「お風呂の排水口のとこってさ、すぐ髪の毛たまるよね?」
「確かに」
「何か気づくとさ、髪で真っ黒になってたりとか」
「そうそう。誰かいるんじゃね?ってくらいにさ」
「なに、ソレ!ホラーじゃん!」
キャハハと、隣で歩く友香と真奈美が笑った。
7月半ばの午後現在、気温32度の中、私達は高校の帰り道を歩いている。あと少し頑張って登校すれば、もうすぐ夏休みだ。
と言っても、夏休みに入ったら入ったで、予備校の夏期講習があるんだけど。
「にしても、あっつー」
友香が、首に張りついていた髪の毛をかきあげた。
「この時期、髪が汗で、ぐちゃぐちゃだよ」
「ほんと夏なんてなくなればいいのにね」
私がそう呟いた後、真奈美が私を見て言う。
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