排水口

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そんな私に、瀬戸君が一言。 「髪の毛ついてた」 「あっ……」 見ると、瀬戸君の人差し指と親指の間に、長い黒髪が挟まれていた。 「ありがとう」 私がそう言った後も、瀬戸君は指先に挟んだ私の髪をじっと見つめてる。 「あの……瀬戸君?」 彼はハッとして言った。 「ごめん……本田さんの髪、あんまり綺麗だから、捨てるの勿体ないなとか思って」 瀬戸君の言葉に、顔が赤くなる。 「あ、いや、オレ何言ってんだろ……」 そう言って、瀬戸君の顔も赤くなった。 私が暑い夏でも髪を伸ばしているのは。 瀬戸君が、髪の長い女子がタイプだから。 その時、古典担当の講師が教室に入ってきた。 瀬戸君は、じゃあと言って自分の席に戻り、私も自分の席につく。
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