排水口

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「ああ~終わったぁ」 私は両腕を思いきり上に伸ばした。 時刻は9時。 予備校の授業は終わった。 「ねぇ、菜々子」 後ろから声をかけられ、振り返ると、同じクラスの女子が二人いる。 「帰りにコンビニで、アイス買って食べよ」 「うん、了解。ちょっとトイレ言ってくるね」 私は、そう言って教室を出た。 少し薄暗いトイレに入った後、洗面台で手を洗っていた、その時。 ゴボッ…… 「え……?」 一番奥の洗面台で、音がした。 何だろうと思っていると、また ゴボゴボッ…… 変な音がする。 私はそっと、その洗面台の方に近づいていった。 ゴボゴボゴボッ…… 近づくほど、音が大きくなっていく気がする。
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