第1章 ばれちゃった。

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 編入学初日の今朝は、ふつうより早く登校した。  早く登校したのは、 自身遅れるのも嫌だったし、 校内ももっと見たかったし、 学校からの案内もあったからだ。  すると、 校門を通ってあまり行かないところで、 右のほう、 校舎と校庭の樹々の間に人影が見えた。  その影は、 校舎のほうを見ては、 樹々のほうを眺め、 しまいに手に持っている何かに目をやっていた。  よく見ると、 この学校の男子生徒らしい。  顔は、 ちょっと可愛らしい。  立ち止まって見ていると、 ようやくわたしの気づいたのか、 向こうに立ち去って行った。  佇んでいる意味もないので、 わたしは校舎に入り、 職員室に行く。
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