第1章 ばれちゃった。

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 「ジュリ・・・ 真剣さがなければ、 何事もできないよ」  これは、父の言葉だ。  母は、 目で、顔で、 それを現していた  わたしを見る彼の顔は、 でも、恐怖… …と少しばかり違っていた。  鉄の棒を直視 したときの恐怖の色はにわかに消え、 わたしに向けられたのは、 最初は、驚き、 そして優しさ?  最初にこの状況を変えたのは、 鉄の棒の前に座っていた女の子。  ああ、委員長だっけ? わたしを応接室から教室に案内してくれた、 髪を後ろで束ねていた清楚な子。 いかにも委員長だ。  「な、 な に、これ!!?」  という声とともに跳ねるように立ち上がり、 空中の鉄棒をつかむ。
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