第1章

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「テストと違うよね、きっと。まあ留学って言っても短期だし」  くくっと肩を揺らしながら笑うのだけは変わっていない。意外につき合いの長い菜子と原田は、相も変わらず健全な友人関係を築いている。  短期留学を進められたのは、2年と3年の狭間の時間だった。学生部、学生の相談の窓口みたいな場所があって、履修手続きや公欠の手続きをする場所。 成績表を受け取りに、学生証を提示したら、その場で引き止められたのだ。 「葉山さん、留学には行くの?」 「え? なんですか?」
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