第1章

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菖蒲も誘ってみたけれど、「私はいいよ」と、他の友人のもとへ行ってしまった。 「レオのせいで、菖蒲行っちゃったじゃん」  ぶつくさ文句を呟いているのにもかかわらず、ずんずん歩くレオの背中についていくと、階段を降りてはあはあ息が乱れる頃には、体育館裏に着いていた。 運動部でもなければ、放課後の掃除当番のときの、ゴミ捨てくらいのときにしか近くに来ないけれど、いざお昼に来てみると、意外や意外、わりに静かで程よい木陰が心地よい。  座って、とぽんぽん地面を叩かれると、レオの隣に腰を下ろした。 お弁当箱を開けて、唐揚げを口に運ぶと、キラキラした青い目がお弁当に視線を向ける。
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