第1章

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 授業もそこそこに、放課後になると、菖蒲と一緒にファーストフードへ向かった。 菖蒲には私の家の事情を話していて、晩御飯を作る時間の前には、遠慮せずに帰れる。気を遣わないでいられるのが気楽で心地いい。    初めに声を掛けてくれたから、人つき合いのいい女の子なのだと思っていたのだけれど、存外そうでもないらしい。 他にも友人はいるようだけど、あまり多くはないように思うし、女子トイレで会ったクラスメイトに、「一緒にいるのが嫌だったら、うちらんとこ来なよ」と言われ、そこで初めて近づきがたい存在なのだと知った。
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