第1章

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「上辺だけの女友達って大っ嫌い。鬱陶しいのよね。さっきもさ、菜子が掃除してるときに……」  わりとよく喋る菖蒲は、あまり女同士の友情を信頼していないらしい。 昔、誤解が誤解を呼んで無視されてうんざりしたとか、そんなことを話していたから何かトラウマになるようなことでもあったのかもしれない。 「なんでさあ、菖蒲は私に話しかけてくれたの?」  もぐもぐとポテトを頬張る菜子が、軽い口調で疑問を口にする。 しなびけてふにゃふにゃになったポテトを、指でつまみながら、菜子を見据えて口を開いた。 「……菜子は信頼できそうって思ったからかな」
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