第1章

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そうやって誤解するかもしれないであろう人たちを敬遠して、好きなことも大っぴらにできないなんて苦労する。   「てかさ、お昼。立花、なんの用だったの?」 「や、わかんない。普通にご飯食べただけ。なんか普通に世間話して終わった」 「……意味わかんないわ」 「レオは可愛い子が好きらしいよ」 「何それ。そんなの聞いてもなんの得にもならないんだけど」  菖蒲のクールな言葉に噴き出した。 菖蒲はあまり好きな人の話とか、恋愛事の話をしないけれど、たぶん私に遠慮しているのだと思っている。 それなりに恋に興味はあるけれど、生憎毎日が忙しい。 家事もするし、最近お気に入りの漫画を読んだりして時間がない。 恋愛の入り込む隙間などない、と言いたいところだけれど、実は未だに初恋をしていないのは、まだ誰にも言っていない。
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