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目を見開いて、ばちっと音が鳴るほどの勢いで、菜子の口を塞がれる。ふごふごと呼吸を遮っているのに気づいたレオは、「ごめんっ」と慌てて手を退けた。
「な、なんで知ってんのっ!?」
声を潜めていうあたりに、真剣さが窺える。やっぱりそうかと妙に納得すると、視線がふよふよ泳いでいた。
なんでと言われても、と軽く笑って返す。
用もないのにあんなに見つめていたら、きっと誰でも気づくのではないだろうか。隣の席の人が、自分の目の前の人をじっと見つめていたら、嫌が応でも勘づくはず。
いつからなの、とからかうと、長い睫毛が下を向いた。
「……小学校のとき。小学一年の、ときから」
「えっ!? じゃあ10年くらい片思い!? ひえ~…」
「ば、ばか! 声がでかいよ!!」
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