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静寂をふくんだその声は、ほんのり怒りを思わせる。なんで連れてきたの、そんな菖蒲の視線につい目を逸らしてしまう。そんな菜子とは相反して、うきうきしているレオが少しばかり妬ましい。
「俺、ケーキセットひとつ、お願いしますっ!」
「えっと……どうしようかな。あんま量の多くないやつで、生クリームが少ないのって……」
愛しの菖蒲を前にして細かい注文をつける菜子に、レオはチラチラと視線をよこす。別に困らせているわけではないことに、気づいてほしいものだ。
「あ、そうよね。じゃあベジタブルケーキは? ケーキの形したサラダなの。おすすめ」
「おいしそう! じゃあそれにする。飲み物はアイスティーで」
「かしこまりました。少々お待ちください」
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