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いつもと違う学生服以外の菖蒲に夢中で、ここの喫茶店のカフェエプロンの制服が似合っていて、レオの目がハートになっているのも頷けた。
「花屋でバイトしてんの?」
突拍子もなく飛んできた質問に、思わずきょとんとした。
まだバイトを始めて数か月と間もないこの時期、仕事を覚えることで精一杯で、回りを見渡す余裕は感じられなかった。
「なんか菜子のこと見たって言ってたから」
「誰が?」
「やべやべ。えーっと、友達?」
隠すのが下手なのも程がある。
焦ったように取り繕った答えが、事前に用意されていたものではないのはすぐにわかった。
当然、その下手くそな嘘を追及したけれど、はぐらかす蕪村な態度は、菜子には些か不服であった。
それどころか、話の種は他のところに飛び火してしまい、なぜだか小競り合いになってしまっていた。
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