第1章

38/1242
前へ
/1242ページ
次へ
 花屋のバイトは朝が早い。 朝の6時にはお店に行って、水揚げや水替えをする。 店長はもっと早い時間に仕入れに市場に向かっていると聞いて、頭の下がる思いだ。4時から仕事の始める日もあるというのだから驚きだ。 まだバイトとして入って数か月だけど、なかなかこれが重労働だ。 水を扱う手仕事は手が荒れるし、水の張ったバケツはなかなかに重い。 花束はさすがにこしらえることができないけれど、アレンジメントを彩るブーケのリボンは器用な手先が、性にあっていて褒めてもらえて嬉しくなる。 数多く花に囲まれる時間は、目にも心にも癒しを与えてくれて、やりがいもある。
/1242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加