第1章

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「あるよー! 最近切り花も入荷したんだよ! 一本刺ししてテーブルとかに飾る人も多いんだよ」 「じゃあ、それ。……その、白いやつ」 「はい、ありがとうございます。……お目が高い、ね!」  クラスメイトらしく軽口を叩くように振る舞う。 自宅用に包んだゼラニウムを包んでいると、まじまじとその光景を見つめている結城。 大したことのない日常の作業のはずが、注目されるとぎこちなくなってしまう。 ……ぎこちなくなってしまうのには、もう一つ理由があった。 「結城くん。この前さ、あの……ごめん」  左右に視線を泳がせて、本人と目を合わせることができなかった。
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