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「大丈夫か美幸」
だが美幸の目の焦点は定まっておらず、
どこか宙を見ているようだった。
男がナタの刃先についた血液を上着になすりつけながら笑う。
「ああ、お兄ちゃんなの?
生きててよかったって思った?
肉体的には生きてるよ、この子。
だってこの血、俺のだもん。
抵抗するからさあ、手切っちゃって。
あ、でも精神的にはどうかな?」
男の声に反応するかのように、
起き上がった美幸は涙を浮かべながら
後ずさりして、壁に背を付ける。
「美幸に何をした」
「何って、見て分からないかなあ?
君ぐらいの歳なら分かるんじゃないの」
美幸の服は所々破け、
スカートの裾の辺りに片足を抜いた状態の下着が見えた。
「お兄ちゃん……助けて……」
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