recycle1~八幡修司~

13/29
前へ
/171ページ
次へ
「……起きろ」 真っ暗な世界に急に光が戻り、目が眩む。 「目が覚めたか」 修司は両腕を縛られたまま椅子に座らされていた。 目の前に立つ看守は無理矢理修司の右手を取ると、 書類にその親指を押し付けた。 「人資源有効利用促進法に則り、 これより購入者の元へお前達を搬送する。 人資源に拒否権は無い。 この書類に捺印をした瞬間、貴様らの人権は国に帰した」 修司たちを囲むように立っていた 数人の男達がひとり、またひとりと 人資源予定者を担ぎ上げていく。 修司もまた無抵抗のまま担ぎ上げられ、 数人の人資源予定者と共にトラックの荷台へと詰め込まれた。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加