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「何よこれ。止まって。嫌よ。来ないで」
右端にいた中年太りをこじらせた肥満体質の大和田佳苗が
必死に訴える。
だが車の速度は衰えるどころか、よりその速度を上げていく。
「もっと。もっと強く意識するんだよ。
ほら早くしないと死んじゃうよ?」
佳苗の目前に車が迫った時、
涙を浮かべながら佳苗は叫んだ。
「嫌……来ないで……!!」
鈍い音と共に佳苗の体は鮮血をまき散らしながら宙を舞った。
広い実験場にはいまだ佳苗の絶叫がこだましていた。
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