12人が本棚に入れています
本棚に追加
再び車は走り出す。
「おっさん、俺が来いって思うから。
おっさんは生きろ……」
「出来ない……」
車は速度を上げていく。
「いいからさっさと思えよおっさん。
来るなら来い……来いよクソったれが」
叫ぶ修司の隣で、草加は静かに呟く。
「……来るな……!」
次の瞬間、車は猛スピードで草加大吾の体を踏みつぶした。
「おい……なんでだよ。おかしいだろ……」
顔面を草加の血で真っ赤に染めながら、呆然とする修司。
「……くくく、ふふ」
笑い声を我慢するように手を口に当てながら笑みを溢す石脇を見て、
修司は声を上げる。
「何がおかしいんだ。
こんな実験に何の意味があるんだよ」
すると石脇は修司を見下すように話し始めた。
「こんな実験に意味がない事くらい初めから分かるって話だよ。
より強い思いのデータ?
取れる訳ないだろ普通にしてたら」
「まさか……お前……」
最初のコメントを投稿しよう!