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修司の頭に、ある仮定が浮かんだ。
だがそのあまりにも悍ましい仮定を
修司は受け入れることが出来ず、
冷たい汗が頬をつたい、体中の筋肉が震えだした。
その光景を見て一層笑みを浮かべながら
石脇は口を開く。
「その通りだよ。
君たちの意識はあえて反転して登録した。
『来いと』願えば来ない。
逆に『来るな』と願えば来るようにね。
そうすればより強く『来るな』と願ったゴミを踏みつぶす。
有用なデータならとっくに取れたよ。
だから君はすでに用済みだ。もう死んでいいよ」
石脇は修司に背を向け右手を振った。
塗装のほとんどを血液で赤く染めた車が速度を上げる。
修司は全てを受け入れ、大きく深呼吸すると目を閉じた。
「……クソったれが。
母さん……美幸、ごめんな……」
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